ぬか漬けサイエンス
現代人を脅かす生活習慣病やがんなどの病気を防ぐために、食物繊維やビタミン類は欠かせない。
しかし、意識していないとなかなかとりにくい成分でもある。
ぬか漬けは、ごく簡単な方法で、食物繊維源となるやさいを食べやすく、そして栄養価を増すことができる。
その働きのかなめになるのが乳酸菌と酵母。
この関係を良好に保つことが、毎日おいしいぬか漬けを食べるための秘訣でもある。
では野菜をぬか床に漬けると何がどう変わるのか?
鮮度とかかわりのあるビタミンCは時間がたつにつれて減る。
このほか、ビタミンK、B2、ナイアシン、B6、パンテトン酸なども増える。
当然、塩分も増えるので、気になる人は短時間で漬けるのが賢明かもしれない。
ともあれ、そんな調整ができるのも自家製ぬか漬けのよいところだろう。
菌の数は限りなく、同じように見えるぬか床の乳酸菌でさえもそれぞれ異なるというのだから、おもしろい。
九州大学農学研究院教授である中山二郎さんは、200年以上にもなるというぬか床の乳酸菌に有害菌への抗菌作用があることを見いだした。
安定したぬか床は、みずからの力でみずからを守る。自然の摂理はみごとだ。